神戸女学院中学部1992年算数1日目第1問(4)

速さ 平均の速さ
 A町からB町まで2回往復しました。1回目は帰りの速さが行きの速さの1.5倍でした。2回目は行き帰りとも同じ速さで、1回目も2回目も往復にかかった時間は同じでした。2回目の速さは、1回目の行きの速さの何倍ですか。

1回目も2回目も往復にかかった時間は同じで、2回目は行きも帰りも速さが同じだから、1回目の往復の平均の速さと2回目の往復の速さは等しくなります。
A町からB町までの道のりを[3](あとで、1と1.5で割るから、3としました)とおき、1回目の行きと帰りの速さをそれぞれ、1、1.5とすると、往復の平均の速さ(2回目の速さ)は
  [3]×2÷([3]÷1+[3]÷1.5) ←往復の平均の速さ=往復の距離÷往復の時間
 =6/5
となるから、2回目の往復の速さ(往復の平均の速さ)は、1回目の行きの速さの
  6/5(1.2)倍
となります。
なお、次のように、平均の速さが調和平均(逆数の平均の逆数)となることを利用してもいいでしょう。 ←平均の速さは相加平均(算術平均)ではなく、調和平均になります。
最初の行きの速さと帰りの速さをそれぞれ2、2×1.5=3とします。すると、往復の平均の速さ(2と3の調和平均になります)は
  (1/2+1/3)×1/2
 =5/12
の逆数12/5となります。 ←最初から「和分の2積」を使うと、一気に求めることができます。
したがって、往復の平均の速さは、最初の行きの速さの
  12/5÷2
 =6/5倍
となります。
(参考)平均の速さと調和平均について
一般に、○と□の調和平均は
  (1/○+1/□)×1/2
 = (□+○)/(2×○×□)
の逆数
  (2×○×□)/(○+□)  ←「和分の2積」
となります。
ある道を往復するのに行きは〇km/時の速さで進み、帰りは□km/時の速さで進んだときの平均の速さを求める場合に、道のり(片道)を1kmとすると、往復の道のりは1×2=2kmで、行きの時間は1/〇時間、帰りの時間は1/□時間だから、平均の速さは2÷(1/〇+1/□)となりますが、これは、(1/○+1/□)×1/2の逆数に他ならないですね。
また、道のり(片道)を〇×□kmとすると、往復の道のりは〇×□×2kmで、行きの時間は〇×□/〇=□時間、帰りの時間は〇×□/□=〇時間だから、平均の速さは〇×□×2/(□+〇)となりますが、これは「和分の2積」に他ならないですね。

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