四天王寺中学校2012年算数第2問①

立体図形 切頂二十面体 サッカーボール
 図のように、正五角形が12個とその周りを囲むように正六角形が並んでいるサッカーボールのような立体があります。
四天王寺中学校2012年算数第2問①(問題)の図 (ア)正六角形は全部で何個ありますか。
(イ)この立体の辺は全部で何本ありますか。

有名問題で、昔灘中で出されたこともあります。
問題のサッカーボールのような立体は、切頂二十面体と呼ばれる立体です。
切頂二十面体というのは、正二十面体(面の数は20個、辺の数は30本、頂点の数は12個)の各頂点を切り落としてできる立体です(各辺を3等分する点で切り落とします)。
このことを知識として知っていれば、正六角形の個数は正二十面体の面の個数と一致するから、(ア)が20個となることは一瞬でわかります。
また、正二十面体の1つの頂点を切り落とすごとに辺が5本増えることから、(イ)は、30+5×12=90本とすぐに求められます。
上のような知識がないものとして解くと次のようになります。
(ア)
問題文の図より、正五角形の各辺のところに必ず正六角形が1つあり、それぞれの正六角形は3個の正五角形で共有されています。
立体の したがって、正六角形は全部で
  12×5/3 ←正六角形をあえてダブらせて数えて、後で調整します(重複度で割ります)。
 =20個
あります。
(イ)
問題の立体の各辺は必ず2つの多角形で共有されています。
したがって、問題の立体の辺は全部で
  (5×12+6×20)/2 ←多角形のすべての辺をあえてダブらせて数えて、後で調整します(重複度で割ります)。
 =90本
あります。
問題では問われていませんが、頂点の数を求めてみます。
問題の各頂点は必ず3つの多角形で共有されています。
したがって、問題の立体の頂点は全部で
  (5×12+6×20)/3 ←多角形のすべての頂点をあえてダブらせて数えて、後で調整します(重複度で割ります)。
 =60個
あります。
なお、オイラーの多面体定理(面の数+頂点の数-辺の数=2)を利用すれば、面の数、辺の数、頂点の数のいずれか2つのものが求まれば、残り1つのものを求めることができます。

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