灘中学校2024年算数1日目第3問

文章題(集合算) 倍数条件
 ある学校の生徒に、A、B、Cの3つの町に行ったことがあるかどうかの調査をしたところ、A、B、Cに行ったことがある生徒の割合はそれぞれ全体の2/7、5/14、1/9でした。AとBの両方に行ったことがある生徒の割合は全体の1/4でした。また、Cに行ったことがある生徒は全員、AにもBにも行ったことがありませんでした。A、B、Cのどの町にも行ったことがない生徒は999人以下でした。
 A、B、Cのどの町にも行ったことがない生徒の人数として考えられるもののうち最も多いものは[ ]人です。

以下、A、B、Cに行ったことがある生徒をそれぞれA、B、C、行ったことがない生徒を「以外」をつけて表記します。
1つ目の文と2つ目の文を読んだ時点では、3つの集合の問題で、3つのヴェン図(もしくは3つの集合のキャロル表)をかく必要があって、受験生は時間の面で足止めを食らう問題((参考問題)を参照)かなと思いましたが、3つ目の文を読んで驚かされました。
Cには、AとBの重なりがないのだから、この問題は、ヴェン図をかくとしても、3つのヴェン図の問題でなく、2つのヴェン図の問題にすぎません。
灘中の受験生なら、わざわざ2つのヴェン図をかくまでもないでしょう。
全生徒数を[252]人とします。 ←あとで2/7、5/14、1/9、1/4倍するので、無用な分数を避けるため、7、14、9、4の最小公倍数でおきました。
C以外の生徒は[252]-[252]×1/9=[224]人となります。
以下、C以外の生徒だけ考えればいい([224]人を集合の全体と考えればいい)ですね。
AまたはBの生徒は
  [252]×2/7+[252]×5/14-[252]×1/4
 =[72]+[90]-[63]
 =[99]人
だから、A以外で、しかもB以外の生徒(当然C以外ですね)は
  [224]-[99]
 =[125]人
となります。
全生徒数([252])は252の倍数で、[125]は125の倍数ですね。
999以下の最大の125の倍数は875だから、これが答えとなります。
なお、灘中学校では、過去に2つの集合で倍数条件を使う問題(灘中学校2000年算数2日目第2問)が出されているので、ぜひ解いてみましょう。
因みに、文章題で整数条件を考える問題は神戸女学院で昔からよく出されてきた問題です。
例えば、神戸女学院中学部1976年算数1日目第5問(整数条件を使うことが問題文にちりばめられている問題)神戸女学院中学部1990年算数1日目第2問(整数条件を使うことが問題文では隠されている問題)などがありますが、近年はさすがにこういう問題ではなく、整数条件を使う文章題としては、不定方程式の問題(条件不足のつるかめ算)が出されています。
(参考問題)灘中学校1988年1日目第8問
 あるキャンプに集まった人達は、男の子どもは27人、日本人の子どもは15人、男のおとなは27人、外国人の男の子どもは21人、日本人は42人、日本人の男は18人、外国人の女は21人であった。この人たちは全部で[ ]人である。
(答えは99)

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